鳥籠(とりかご)
概要
鳥籠(とりかご)は、鳥や小動物を閉じ込めるための構造物であり、一般的には金属や木製のフレームに網が張られています。
ペットや飼育対象の鳥を保護し、同時に外部の環境から隔てる目的で使用されます。
また、鳥籠の中に植物を入れたり、美しい装飾を付けたり、鳥籠はインテリアとしても人気です。
表記:鳥かご、鳥カゴ、とりかご、バードケージ
鳥籠の歴史
鳥籠の歴史は古く、古代ローマ時代までさかのぼります。
特に、ローマの貴族や富裕層の間では、貴重で美しい鳥はコレクションとして愛され、他人に見せびらかすことが一種のステータスでした。
ただし、鳥籠がローマ特有のものだったかどうかについては確実な情報がなく、他の古代文明(古代ギリシャやエジプト)でも、鳥籠を使って鳥を飼育し、観賞する習慣があったと考えられています。
イメージや象徴
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鳥籠には、「自由」「抑圧」「束縛」「孤独」「閉鎖環境」「安全」「保護」「鑑賞」などのイメージや象徴的な意味があります。
一般的なイメージ
鳥籠が何を象徴するかは、籠の中に鳥が描かれているかどうかによって異なります。
空の鳥籠は「自由」を表す傾向がありますが、中に鳥がいる鳥籠は「束縛」や「抑圧」を表す傾向があります。
また、鳥籠と共に描かれる鳥は、人間の魂や精神を意味する場合もあります。
鳥が籠の中にいる場合は「囚われた魂」や「抑圧された精神」を、鳥籠から出ていく鳥は「魂の解放」すなわち「死」を暗示することがあります。
他にも、2羽の鳥が鳥籠から出ていく様子は、「自由恋愛」や「駆け落ち」などを象徴する場合があります。
抑圧、束縛
鳥籠は鳥を閉じ込めるためのものであり、自由を奪う象徴として捉えられることがあります。
そのため、鳥籠は「抑圧」や「束縛」を連想させることがあります。
夢や希望の制約
鳥籠は鳥の持つ飛翔の能力(自由に大空を飛ぶ)を制限するものであるため、特に「自由な夢や希望の制約」を象徴することもあります。
孤独、閉鎖環境
鳥籠の中に閉じ込められた鳥は、「孤独」や「閉ざされた状況」を象徴することがあります。
鳥籠は社会的な孤立や孤独感を表現し、他者とのつながりが欠如した状態を示唆することがあります。
安全、保護
鳥籠は鳥を保護する役割も果たすため、「安全」や「保護」の象徴として解釈されることがあります。
鳥籠の中にいる鳥は外部の危険や脅威から守られており、鳥籠は安全な場所や避難所を象徴することがあります。
けがを負った鳥が籠の中にいる場合は、特に「安全」や「保護」の印象がより強くなります。
観察、観賞
鳥籠に入れられた鳥は、観察や観賞の対象となります。
鳥籠は美しい鳥やその行動を楽しむためのモノとして捉えられ、「観察」や「観賞」の象徴となることがあります。
鳥籠は、牢屋や檻と違って主に鑑賞を目的としているため、基本的に「美しいもの」を閉じ込めます。
関連作品
鳥籠が、モチーフやシンボルとなった作品を紹介します。
「人間は鳥を愛し、籠(かご)を発明しました。」
‘God loved the birds and invented trees. Man loved birds and invented cages’ – Jacques Deval
「神は鳥を愛し、木を発明されました。人間は鳥を愛し、籠(かご)を発明しました。」
フランスの劇作家、脚本家、映画監督のジャック・ドゥヴァル(1895年 – 1972年)の言葉。
鳥籠(絵画)
アメリカの画家フレデリック・カール・フリージキーの作品(1910年)。
「鳥籠」といえば真っ先に挙げられる作品の一つです。
鳥籠を持ち、鳥を見つめて、こちらに背を向けた女性が描かれています。
ドレスがずれ、女性の右肩が見えています。
金色の檻(絵画)
イギリスの画家イーヴリン・ド・モーガンの作品(1919年)。
1919年に亡くなったド・モーガンの最後の作品でもあります。
外で自由に歌い踊る人々(と鳥)を、部屋の中から女性が見ています。
床にはジュエリーと書物が散らばっており、女性よりかなり年上に見える男性(夫)が取り乱したことが伺えます。
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