ハイヒール
概要
ハイヒールは、女性用の靴のスタイルの一つで、かかとが通常よりも高くなっている特徴的なデザインをしている。
イメージや象徴
『考察事典』おすすめの一冊
日本全国に伝わる言い伝えや迷信を収集、項目ごとに分類した事典です。
「火事の前にネズミは逃げ出す」「桃を食って川に行くと河童にひかれる」など、日本全国に伝わる俗信を徹底収集した一冊です。
ハイヒールには、「女性らしさ」「自信」「スタイリッシュ」「強さ」「上流階級」「魔女」などのイメージや象徴的な意味があります。
女性らしさ、エレガンス
ハイヒールは女性らしさや上品さを象徴するアイテムとして知られる。
高いヒールの形状や足元の姿勢が女性らしさを引き立て、歩き方や姿勢によってエレガントな印象を与える。
自信、パワー
ハイヒールを履くことで身長が高くなり、スタイルがよく見えるため、自信やパワーを感じることができる。
ハイヒールは女性の魅力を引き立て、自己表現や自己確立に役立つことがある。
ファッション、スタイリッシュ
ハイヒールはファッションアイテムとしても重要な存在である。
トレンドに合わせたデザインやカラーのハイヒールは、洋服のアクセントとなり、スタイリッシュでおしゃれな印象を与える。
強さ、決断力
ハイヒールを履くことは、日常生活や特別な場において、強さや決断力を象徴することがある。
ハイヒールは歩きづらいとされる一方で、それを乗り越えて履くことで、困難に立ち向かう精神や強さを表現することがある。
ジレンマ
ハイヒールは女性に美しさをもたらすものの、健康には有害であるため、ジレンマを引き起こすもののイメージがある。
上流階級
17 世紀初頭、ペルシャの使者によってヨーロッパにハイヒールが持ち込まれた。
当時の男性は、上流階級の地位を暗示するためにハイヒールを履いた。
働く必要のない上流階級の人々だけが、ハイヒールを履くことができた。
ルイ 13 世はフランス貴族の宮廷に赤いハイヒールを導入し、続くルイ14 世などの王族もハイヒールを履いている。
よって、歴史的に西洋ではハイヒールは、実用的ではない履物を履く余裕のある上流階級の間で社会的地位を強調したり、身長を高くしたり、足や長いドレスを清潔に保つためなどに履かれており、貴族や上流階級と結びつけられてきた。
魔女、魔術
ハイヒールは魔女や魔術に関連付けられることがある。
17世紀イギリスでは、女性が化粧品やハイヒールを使用することを禁じ、違反した場合は魔術などの軽犯罪と同じ罰則を与えるという法律を可決した。(ただし、可決されたという公的記録は今も見つかっていない)
化粧やアクセサリーで着飾らず、女性は本来の美しさや自然な美しさを尊重すべき、という理由で法案が作られたとされる。
同じく17世紀のマサチューセッツ州でも、女性がハイヒールを履くことを禁止する法律を可決している。
植民地時代のマサチューセッツ州で行われたセイラム魔女裁判では、ハイヒールは悪魔のしるしとみなされ、それを履いた者は魔術の罪で告発された。
セクシュアリティ
革やゴム製の太いヒールのブーツは、軍国主義や男らしさを表す一方、ハイヒールは女性のセクシュアリティを表す。
第二次世界大戦前後の時代には、ピンナップガールのポスターが普及し、ほとんどの場合ハイヒールを履いた女性が描かれていた。
このことにより戦争中の多くの男性の中で、そしてその後のアメリカ社会全体において、ハイヒールと女性の関連付けは強くなった。
1950年には、さらに高くて細いスティレットヒールが生まれ、すぐに女性のセクシュアリティの象徴となった。
現代でも、ハイヒールは女性のセックスシンボルとして説明されることが多く、プレイボーイのような雑誌や、女性を性的に描写するメディアは、ハイヒールを使って表現することがよくある。
関連作品
ハイヒールが、モチーフやシンボルとなった作品を紹介します。
ハイヒールを履いたルイ14世の肖像画(絵画)
フランスの画家イアサント・リゴーの作品(1701年)。
リゴーは、フランスの三大肖像画家であり、特にルイ14世時代で才能を発揮した。
リゴーは、衣装や背景など細部にいたるまで非常に正確に描いており、当時の服飾の流行を細微に渡って記録した貴重な資料である。
ルイ14世をはじめヨーロッパの当時の貴族は、流階級の地位を強調したり、身長を高くしたり、足や長いドレスを清潔に保つために、ハイヒールを履いていた。
ハイヒールを履いた女性(写真)
ベティ・グレイブルのピンナップ写真。
ピンナップ写真とは、20世紀中頃に主流となった、魅力的でセクシーな女性の写真。(チーズケーキ写真ともいう)
一般的には、広告、カレンダー、雑誌などで使用され、軍隊の兵士たちの壁に貼られることもあった。
グラマラスな体形、セクシーな衣装、ハイヒールなど、理想化された女性を投影していた。
煙突の上にハイヒール(小説)
2012年に発表された日本の小説。
恋人にだまされた織香は、一人乗りのヘリコプターを衝動買いをした。
人とテクノロジーの関わりを、温くも理知的な眼差しで描く、ちょっぴり未来の5つの物語。
ハイヒールを履いたシャーマン(小説)
2012年に発表されたイギリス小説の日本語翻訳版。
ジュリア・ロバーツ主演のアメリカ映画『食べて、祈って、恋をして』のイギリス版として話題となった。
主人公のアンナは、理想的なキャリアも恋人も手に入れた、まさに今どきのアラサー女子。
ペルーへの旅行をきっかけに「シャーマンの世界と都会で生きる人々を繋ぐ架け橋になる」ことを目指す。
こちらの記事もオススメです
コメントする