卵(egg)
概要
卵は、動物が繁殖や子孫を残すために産み落とすもので、胚の成長と発育のための栄養を含んでいます。
鶏卵が最も一般的であり、食品として広く利用されます。
他言語での表記
英語 | egg | エッグ |
スペイン語 | uovo | ウォーボ |
イタリア語 | huevo | ウエボ |
ドイツ語 | Ei | アイ |
フランス語 | œuf | ウフ |
イメージや象徴
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「火事の前にネズミは逃げ出す」「桃を食って川に行くと河童にひかれる」など、日本全国に伝わる俗信を徹底収集した一冊です。
卵には、「再生」「復活」「多産」「潜在能力」「脆さ」「神秘」などのイメージや象徴的な意味があります。
キリスト教・聖書におけるイメージ
この絵画の中央にぶら下がっているのはダチョウの卵であり、マリアの多産、再生、不死などを象徴します。
また、卵は整った形をしていることから、(歪みのない)穢れのない命の誕生を象徴します。
ダチョウはとても珍しい鳥であり、当時の人々はダチョウが砂に埋めた卵がひとりでに孵る様子を見て、ダチョウは受精をせずに卵を産むことができると信じていました。
イースター祭
先述に加え、キリスト教の「卵」で有名なものに、イースター祭があります。
イースター祭はキリスト教会の主要な祭りであり、イエス・キリストの磔刑から3日目の復活を祝います。
イースター祭の起源は、教会は聖週間に卵を食べることを禁止していましたが、鶏はその週の間も卵を産み続けたため、その卵を聖週間の卵として区別するために彩色したことがきっかけでした。
イエスが墓から蘇ったように、卵は復活を象徴しています。
正教の伝統では、イエスが十字架上で流した血を象徴するために、卵が 赤 く塗られています。
再生や復活
墓が命を閉じ込めるように卵は命の入れ物を表し、雛が卵の殻を破って出てくる様子や、卵そのものが命の再生や復活を象徴しています。
多産
卵を体外に産卵し、卵に蓄えられた栄養によって孵化する卵生動物(主に鶏)は多く卵を産むため、卵は多産の象徴でもあります。
生命の始まり
卵は、外から見ると冷たいように見えますが、内部では命が育まれています。
卵は生命の始まりや新たな可能性を象徴しています。孵化する前の卵は未来の成長や変化を予感させます。
このため、「卵」は新しい始まりや希望を表現するシンボルとされることがあります。
通過儀礼
卵として母体から生れ落ちることが一度目の誕生で、殻を破って出てくることを二度目の誕生とする場合、殻を破ることは通過儀礼を意味する場合があります。
潜在能力
卵の中には、まだ具現化していない可能性や潜在的な力が秘められています。
卵から新たな命が生まれることから、卵はこれから成長する潜在能力や可能性を象徴することがあります。
保護や自己防衛
卵は殻に守られており、外部からの脅威や環境の変化から中身を守る役割を果たしています。
このことから、卵は保護や自己防衛の象徴としても捉えられます。
脆さ
卵は、外部からの力によって破壊される可能性があり、ある程度の脆さを持っています。
このため、卵は脆弱性を象徴することがあります。
人生の不確かさ、繊細さ、危うさを表現する際に、卵のイメージが用いられることがあります。
魔法や神秘性
卵は神秘的な力や魔法の象徴としても扱われます。
卵が不思議な変化を起こすことや、卵には未知の力や秘密が宿るという信念が存在することから、魔法や神秘性と結びつけられることがあります。
白い卵酒は、知恵と力を授けるミミルの魔法の飲み物です。
関連作品
卵が、モチーフやシンボルとなった作品を紹介します。
Broken Eggs(絵画)
フランスの画家ジャン=バティスト・グルーズの作品(1756年)。
バスケットの中の卵が割れてしまい、少女が家族に怒られている場面です。
割れた卵は処女喪失を意味します。
右下にいる弟は、割れた卵を修復しようとしています。
極卵(小説)
2014年に発表された日本の小説。
天使の卵か悪魔の卵か……。
食品の安全神話を深くえぐるストーリーで、医療ミステリーの有名作家・仙川環氏が二年に渡って執筆した「私の最高傑作」。
偽装食品、遺伝子組み換え食品など時代を揺るがす事件が多発する現在、食品の安全とは何かを鋭くえぐる社会派ミステリーです。
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