雷(かみなり)

目次

概要

雷(かみなり、雷鳴)は、大気中の静電気の放電現象のことを指す。
これは、大気中にある雲内の正電荷と負電荷が、雲内部または地上の物体との間に発生した電位差により放電することで発生する。
雷は、自然現象の中でも非常に強力なものの一つである。

表記:雷、かみなり、いかずち、いなずま、いなづま、かんなり

他言語での表記

英語thunderサンダー
イタリア語tuonoトゥオーノ
スペイン語truenoトレノ
ドイツ語Donnerドナー
フランス語tonnerreトネール

イメージや象徴

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雷には、「裂くもの」「神の怒り」「活力」「突然の出来事」などのイメージや象徴的な意味があります。

キリスト教・聖書におけるイメージ

雷(雷雨)とともに神が顕現するため、神の顕在の象徴とされた。

モーセが神から十戒を授かったとされるシナイ山は、雷と雲で覆われている。

「モーセが語りかけると、神は雷鳴をもって答えられた」など、お告げや御声として用いられる。

神話におけるイメージ

天の啓示、裂くもの、男根などを表す。

ローマ神話における神々の王ユピテルの持物であり、武器でもある。
ユピテル(英語ではジュピター)は3つの雷「運命」「宿命」「節理」を落とすとされる。※「2つの雷」を落とすという説もある。

持物(じもつ・じぶつ)とは
西洋美術におけるアトリビュート(attribute)のこと。
特定の神や聖人を象徴する、あるいはそれらを身に着けた姿で描かれたアイテムや動物、あるいは特定の行為や場面を表すものを指す。
具体的には、キリスト教の聖人たちがよく持っている様々なアイテム(聖具)が代表的。

神の怒り

神秘的な力や、自然の力を象徴するものとして捉えられることがある。
雷は、晴天の空から突然降りてくるものであり、その存在には人間の力や理解を超えるものとして感じさせる。
稲妻とともに現れることから、「神の怒り」と結びつけて考えられることもある。

日本でも、雷鳴を「神鳴り」と言い、神の怒りを表す。

清め、浄化

雷が鳴り響くと、空気が一気に換わり、澄んだ空気が流れ込むことがある。
雷は空気中のイオンを生成するため、浄化の役割を果たすとも考えられる。

活力、エネルギー

稲妻が放電する際には、強いエネルギーが放出されるため、力強さや活力が感じられる。人々に元気や勇気を与えることがある。

ひらめき、衝撃

まるで雷が落ちたような衝撃が走るイメージとともに、アイデアを思い付いた際の様子や、ショックを受けた際の様子などの形容としても用いられる。

急激な変化、突然の出来事

雷が突然降りることから、何か予期せぬことが起こることを表すことがある。

関連作品

雷が、モチーフやシンボルとなった作品を紹介します。

テンペスタ(絵画)

Giorgione,”The Tempest(1506-1508)”

《テンペスタ》(La Tempesta)は、ルネサンスのジョルジョーネが1506年から1508年ごろに描いた絵画。

廃墟のような町で、上空には稲妻が光っている。
幼児に乳を飲ませる女性と、棒を持つ若者の間には川が流れている。

この絵の主題について様々な議論があり、美術史家を悩ませている。

雷桜(映画)

映画「雷桜」

映画「雷桜」

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日本版『ロミオとジュリエット』と題した身分違いの恋愛をテーマにした時代劇。

将軍・徳川秀斉の息子の斉道は、落雷で根元から折れてしまった銀杏に桜が芽をつけた奇妙な巨木「雷桜」の下で、雷という名前の女性と運命的な出会いを果たす。

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