なぜ「ルナティック」という言葉は「月」に由来するのか?
古代から現代まで、多くの言語で「狂った」と表現される際、不思議なことに「月」が関与しています。
中でも、「ルナティック(lunatic)」や「ルナシー(lunacy)」などの言葉が有名です。
このページでは、「ルナティック」の語源や、月が「狂気」を意味する理由などについてまとめます。
「考察本」が読み放題!
目次
「ルナティック」の語源
ラテン語の「lunaticus」に由来しています。
「lunaticus」は、名詞で「狂人」、形容詞では「月に影響された」などを意味します。
このラテン語に由来する「ルナティック(lunatic)」や「ルナシー(lunacy)」が「狂った」や「気が触れた」という意味をもつ理由は、古代の信仰や迷信に由来しています。
満月と異常行動
昔の信仰や伝承では、満月の夜には人々が異常な行動に出ると考えられていました。
月の満ち欠けが潮の満ち引きに影響を与えるように見えたことから、月は人々の行動にも影響を与えるのではないかと考えられました。
古代ギリシャの哲学者やローマの歴史家も、脳は体内で最も湿潤な器官であるため、(潮の満ち引きのように)月の影響を受けやすいと考えました。
この信仰は中世ヨーロッパでも広く受け入れられ、満月の夜に人が狼男や吸血鬼に変身すると広く信じられていました。
現在
今日でも、満月の力が異常を引き起こし、精神を病むこと、自殺、殺人、交通事故、暴力行為、犬の噛み付きなどに影響を与えると、多くの人が考えています。
しかし、科学的な研究によれば、これらの考えには根拠がなく、満月と異常行動に関連性はありません。