はじめに
本を読んで出てきた「亜麻色」ってどんな色?
「茶髪のキャラクターで」って依頼されても、
どの茶色?
こんな経験はありませんか? 私はあります!
今回は、キャラクターデザインや色のイメージがしやすいよう、髪色(茶髪)で表現してみました。
色の意味や由来についても簡単にまとめているので、
参考にしてください!
黄橡(きつるばみ)
黄金色に近い、赤みがある黄褐色。
橡はクヌギの古い名前で、ドングリを使って染色していたことが由来。
シナモン(cinnamon)
シナモンの樹皮を乾燥させた香辛料の色。
シナモンには独特の甘味と辛味があり、古代ギリシアの歴史家ヘリドトスの書では、フェニックスの巣から採取されると信じられていた。
アンバー(umber)
黄褐色。アンバーは、天然の土顔料のこと。
新石器時代の壁画に使用され、アンバーは最古の顔料の1つと考えられいる。
“unber”と似た”amber”は、琥珀色の英名。
伽羅色(きゃらいろ)
伽羅(香木)で染めた、かすんだ赤みのある黄色。
至宝の香木として珍重された。
駱駝色(らくだいろ)
ラクダの毛の色のような浅い明るい茶色。キャメル(camel)の方が馴染みがある。
桑色(くわいろ)
少し褐色味をおびた薄い茶色。
クワの樹皮や根の煎じ汁と灰汁で作られる。
ビスケット(biscuit)
ビスケットの生地のような色。
素朴、親しみ、優しい等の印象がある。
亜麻色(あまいろ)
アマから作る糸の色。
淡い金髪を「亜麻色の髪」と形容することがある。
朽葉色(くちばいろ)
植物の葉が朽ちた色。
イチョウの黄朽葉、モミジの赤朽葉、青みが残る青朽葉など、朽葉色から派生した色は「朽葉四十八色」にまとめられる。
空五倍子色(うつぶしいろ)
灰色を混ぜた淡い茶色。
五倍子(ごばいし)とは、白膠木の木にできる虫の瘤で、タンニン酸の原料になる。
榛色(はしばみいろ)
ハシバミの実のようか、黄みのある茶色。ヘーゼルナッツの和訳。シェイクスピアが「明るい茶色の瞳」の形容として用いたことで有名。
木蘭(もくらん)
明るめの黄褐色。
木蘭色(もくらんじき)とも言う。
モクレンは、愛、美、洗練を象徴する。
サハラ(sahara)
サハラ砂漠の砂の色。フランスの色名。
サハラという名前は、アラビア語で砂漠や荒野を意味する「サハラウ」に由来する。
黄土色(おうどいろ)
若干赤みのある黄色。
黄土は、風によって運ばれた砂が堆積したものを指す。
英名のオークル(ocre)は、黄色人種の肌の色に用いる。
琥珀色(こはくいろ)
黄褐色。
英名はアンバー(amber ※umberではない)。
昆虫や植物を含んだ琥珀は希少だったため、魔術的価値が高いとされていた。
狐色(きつねいろ)
キツネの毛の色のような色。食べ物が(美味しそうに)こんがり焼けた形容に用いられる。
一方、英名のフォックス(fox)は、日焼けやシミで変色した古い書類の形容に用いられ、マイナスイメージがある。
小麦色(こむぎいろ)
橙に近い明るい茶色。
健康的に日焼けした肌や、濃い金髪などの形容に用いられる。
丁字色(ちょうじいろ)
赤みがあるくすんだ茶色。
チョウジの樹皮や蕾などで染めた色で、チョウジ(クローブ)は香辛料や薬としても利用される。
黄櫨色(はじいろ)
ハゼノキの樹皮を煎じて染めた色。
ハゼノキの果実は「菩薩の実」とも呼ばれる。
テラコッタ(terracotta)
赤土の素焼きの色。
古代ローマ遺跡から発掘された土器の名前が由来。
樺色・蒲色(かばいろ)
赤みの強い茶色。
西洋では、魔女除けに効果があるため、カバノキでゆりかごを編んでいたという記録がある。
雀茶(すずめちゃ)
スズメの羽毛のような赤黒い茶色。
江戸時代に褐色系が流行し、「雀の羽色」とまとめて親しまれていた。
赤銅色(しゃくどういろ)
あかがねいろ、しゃくどうしょく とも言う。
赤銅とは、銅に金を3~5%加えた合金を指す。
マルーン(maroon)
赤褐色。
フランス語のマロン(栗)に由来する色だが、厳密には日本の「栗色」とは異なる。
西洋ではボルドー(bordeaux)とも呼ぶ。
マホガニー(mahogany)
赤褐色。マホガニー(木材)の色。
1930年に出版されたメルツ・アンド・ポール著『色彩辞典』では、マホガニーという色名が生まれたのは1737年だとされている。
栗色(くりいろ)
マルーンより赤みが控えめな赤褐色。
動物の毛色を表す「栗毛」など、栗は色の形容として馴染み深い。
ヘアカラーで人気のブルネット(フランス語で「ブラウンの髪の女性」の意)は、日本では主に栗色として捉えられる。
鳶色(とびいろ)
トビ(トンビ)の羽毛の色。
ピーヒョロロロと鳴き、日本では馴染み深い鳥。
檜皮色(ひわだいろ)
ヒノキの樹皮で染めた色。
平安時代から存在する色で、武士に愛好され、狩衣の重ね色として用いられた。
褐色(かっしょく)
黒みが強い茶色。
「褐(かつ・かち)」には、荒い毛で作られた服、黒ずんだ茶色という意味がある。
バントシェンナ(burnt sienna)
濃い赤褐色。
“burnt sienna”は「シエナの焼いた土」という意味。
イタリアにある古都シエナで焼かれた煉瓦の色が由来。
ブラウンカラーの一覧
今回まとめた色を一覧にしてみました
以上、「【茶色系】色の名前・意味・由来」でした!
最後に、キャラクターデザインでおすすめの書籍を紹介します
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